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お知らせ

右か左か(H.S.)

 三月三日は雛祭りで、この日が近くなると雛人形を飾る家も多いかと思います。この時いつも悩むのは男雛と女雛の左右の位置はどちらが正しいのかです。
 一般には向って左側に男雛、右側に女雛のパターンが多く見られるようですが、これは関東雛、逆に向って右側に男雛がくるのが京雛で、どちらも間違いではなさそうです。
 日本では古来から左は右より格が高いとされるので、歴史の古い京雛では男雛は女雛の左(ここで言うのは二つの雛の相対的な関係ですから、向ってどちらかとは逆になります。これも判りにくい原因です。)、つまり向かって右です。
 現在どちらかというと一般的な関東雛が右側に男雛、左側に女雛になったのは男女同権を主張する人々の要求があったから・・・でしょうかね?。

 

 フェミニズムの影響かどうかは知りませんが、明治時代になり西洋の流れを受けて国際儀礼である「右が上位」の考え方が取り入れられるようになりました。西洋では、英語で右を「正しい」の意味がある「right」と言うように、日本とは逆に「右が上位、左が下位」とされます。オリンピックの表彰台でも金メダリストを真ん中にしてその右側(向かって見ると左側)に銀メダリスト、左側(同右側)に銅メダリストが並ぶのもこのためです。

 これは裁判所でも同様です。裁判には1人の裁判官の場合と3人の場合があります。前者を単独、後者を合議体と言いますが、合議体の場合は真ん中の裁判長の右隣(向かって左)に座っている裁判官が次順位の右陪席、左隣の裁判官を左陪席(三席)と呼びます。ここではやはり「右が上位」の発想です。
 ついでに言えば、刑事事件の法廷では検察官が裁判官からみて右側、弁護人が左側に席が決まっています。こちらもやはり「右が上位」からの発想なのでしょうかねえ。(H.S.)